平成7年1月17日、午前5時46分。阪神大震災。
日本酒の名産地である灘五郷を直撃したこの震災により、
泉酒造は蔵の大部分を焼失しました。
これまでのような酒造りが続けられないことは、
酒造メーカーとして、宝暦年間(1756年)創業の老舗蔵元として、
声にならないほど悲しいできごとでした。
あれから11年。
泉酒造はようやく蔵を再建することができました。
「自分たちの手で、もう一度新しい泉酒造の酒を生み出したい」
新しい蔵の建設には、これからの泉酒造を背負う
若い世代が中心となって取り組みました。
原料となる米の倉庫、米を蒸す原料処理室、
酒の源である麹を育む室(ムロ)、
醪(モロミ)を発酵させる仕込み室、
完成した製品を保管する製品倉庫まで
一つ一つについて設計の段階から議論を重ねてきました。
多くの蔵を見学し、先人のアドバイスに耳を傾け、
自分たちが目指す酒造りが行える環境を整えるため、
使用する建材までこだわりました。
完成した蔵は現在の泉酒造を象徴する
「新しさ」と「伝統」が共存しています。
時代が変わろうと、人間の手でしか
生み出せないものがあります。
泉酒造は伝統によって受け継がれてきた
酒造りを続けなければなりません。
蔵を失ったあの日のことを決して忘れずに、
もう一度始めたい。
泉酒造は震災の日である平成19年1月17日より、
自家醸造を再開します。
歴史と伝統を受け継ぎ、
そこに新たな若いエネルギーを注ぎ込むことで
これまで以上に魅力的な酒を生み出してまいります。
私たちは作り手として技術を伝承できる喜びを噛みしめ、
思いをこめて酒造りを行います。
お客様と泉酒造のお酒が出会い、心から喜んでいただくために。 |